BTS『悩むよりGO(GoGo)』が意味すること

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BTS のアルバム『LOVE YOURSELF 承 ‘Her’』に収録されている曲だ。

個人的には BTS の中で一, 二を争うほど好きな楽曲なのだが、歌詞の世界について調べてみた。

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何について歌っている?

まずタイトルについて調べてみたところ、以下のように説明している人がいた。

Q.
탕짐잼 (BTS – 고민보다 Go)
 とはどういう意味ですか?

A.
consumption(no money) is very fun.(go better than hesitation)
「消費(お金を使い果たす)というのはとても楽しい。恥じる事なんて無いさ。」という意味です。
  hinative.com より

厳密には、「悩むよりGoとは、何に対してGoと言っているのですか?」という質問の答えだ。

この曲のテーマは『お金』。

それにしても、お金について歌うアイドルなど聞いたことがないぞ!
HIPHOPをバックグラウンドに持つ事もあるかもしれないが、

やはりBTSは面白い。

 

dollar  dollar

一日のうちに使い果たす

稼いで使って 走れ 走れ 走れ

dollar と 달려(タリョ、走れ)が似た発音のため、言葉遊び(韻踏み)をしているようだ。

BTSには『Run』という曲もあるが、そちらはラブ・ソングなので直接的な関連性は無さそうだ。

 

お金は無いが…

入り江をクルージングしたいんだ

クルージングしたいんだ ニモみたいに

お金が無くても 遠くへ行きたいんだ

お金が無くても 楽でいたいんだ

お金が無くても  オノジローの寿司を食べたいんだ

NEMO

 

オノジロー とは、小野二郎さんのお店、すきやばし次郎 のことだろう。
VIP御用達の高級店だ。
Wikipedia によると、小野さんはミシュラン史上最高齢の三ツ星シェフなんだとか。

 

塵ですら、かき集めて

必死で働いて稼いだ金

全部俺の腹の中

塵ですらかき集めて  使い果たす楽しみ

狂ったように使いすぎても 放っておいてくれ

 

“塵も積もれば山となる” の論理で地道に貯めるのではなく、ちょっと貯まったら楽しいことにパーッと使ってしまえ、という意味と思われる。

後先なんて考えない

明日なんてないのさ

俺の未来はすでに抵当に入れた

もっと俺の金を使えよ  どうした友よ

欲しいだろ?

「抵当に入れる」とは、基本的には住宅ローンを組む際に、その土地や建物を担保にしてお金を借りる事を意味するが、「未来を抵当に入れる」とはどういうことか。

まさに、現在遊びつくすために自分の未来を担保にして、金を借りるということになるが、ここで言いたいのはおそらく、借金等の具体的なことではなく、後先考えずに楽しく生きるという考え方を言っているものと思われる。

wussup は What’s up(やあ / どうしたの?)の意味だ。

人の金で美味しいもの食べたい

[adchord]

YOLO

YOLO YOLO YOLO YO

YOLO YOLO YO

使い果たす楽しみ

ダンスが非常に特徴的なコーラスパート。
歌詞の内容についても、最も重要な局面だ。

YOLO You Only Live Once(人生は一度きり)の頭字語。

オックスフォード辞書には以下のように定義されている。

You only live once (expressing the view that one should make the most of the present moment without worrying about the future, and often used as a rationale for impulsive or reckless behaviour)
訳:あなたの人生は一度きり(将来に不安を抱えずに今という瞬間を最大限に楽しみ、衝動的だったり、無謀ともいえる行動を後押しする動機にしよう、という考え方を表現している。)

‘I just ordered £40 worth of Chinese food. But YOLO, right?’
訳:6,000円分も中華料理を食べちゃった。でも人生一度きりだし、ね?

参考:oxforddictionaries.com

 

탕진잼(タンジンジェム、楽しい時間を過ごす)は、
탕진(使い果たす)と 잼(楽しみ)を組み合わせた言葉だ。

参考:hinative.com

社会的なメッセージを投げなければ防弾少年団のアルバムではない

この概念は、BTSのヒット曲『DOPE』などでも触れられている「n放世代」の概念に関連し、韓国社会が抱える負の部分に焦点を当てているようだ。
※ nには 3,4,5,7などの数字が入る

 

BTSメンバーのSUGAは、アルバムの紹介の際にこう語ったと言う。

“社会的なメッセージを投げなければ防弾少年団のアルバムではない”と。

 

韓国の Wikipedia では以下のように書かれている(訳)。

現在、多くの大韓民国の20代-30代の若者たちは、高騰する物価、授業料、就職難、住宅価格など経済的、社会的圧迫により自分自身の生活に余裕がないという理由で、恋愛と結婚を放棄し、出産をも先送りしている。これらの人々を三放世代と称する。同様の用語で、日本では「さとり世代(さとり世代)」と称する。

参考:ko.wikipedia.org(韓国語)

そして、この歌で出てくる『탕진잼 – タンジンジェム』は、必ずしも大金を使って豪華なものを買ったり贅沢することを意味しているわけではなく、

『金は無いが、少額のものをたくさん買って満足したつもりになる。だが、それでも良いじゃないか。楽しく生きよう。』

というメッセージを、彼らをフォローしている若者たちに伝えているのではないかと思う。

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