今回は、僕が DOPE 以来久々にBTSにハマるきっかけとなった、MIC DROP という曲の魅力について少し語っていきたいと思います。
歌詞の和訳や説明については個人的な解釈によるところが大きいのでご了承ください。
MIC DROP という楽曲
Steve Aoki は EDM界で有名な人物らしいですね。
個人的には、最初に Remix の方から聴いたことも影響していると思うのですが、これが原曲と言われても違和感のないほどにクールな仕上がりだと思っています。
2018/08/27 追記:
Remixバージョンはアルバム『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』に収録されました。
大衆的なポップスにも多く採用されている。
オバマ氏からインスパイアされた
この MIC DROP というのは、文字通り「マイクを落とす」という意味ですが、一体どういった意味が込められているのか。
BTSリーダーの RM は、この曲は 2016年のホワイトハウス記者団夕食会で行われた、オバマ氏の演説にインスパイアされたと語っています。
スピーチの詳細はBBCのまとめがわかりやすい。
マイクを落とすという行動は、自信や魅力をアピールする象徴的な行動と認識され、『MIC DROP』もそういった意味合いを狙った楽曲なのですね。
彼のマイク・ドロップは、
「どうだ、私のスピーチはクールだっただろう?」
みたいな、そんな感じに見えました。それと同じように、
『MIC DROP』は、グループの個性、希望、自信を表しているトラックなんです。
※抄訳
MVと歌詞 -歌詞編-
クリップでは、BTSメンバー7名が、尋問室のような場所に閉じ込められ、マイクを向けられている状況からスタートする。記者会見の様にも見えます。
J-HOPE の Rap
から、Verse1 が始まります。
比喩的な表現が混ざっているので、リスナーによって捉え方が異なることでしょう。
俺の身分が汚れてるって?
勝手に言ってろ、俺がマイク握ればお高く止まってる奴らビビって逃げ出す頭にきてるようだな、生焼けのステーキどもが
何度でも噛みしだいてやるよ、スターの夕食でな
※抄訳
生焼けのステーキ というワードが印象的ですが、その意味するものが何なのか考えるとき、いくつかの解釈が可能なように思います。
※汚れたスプーン、金のスプーンという表現が出て来ますが、これは社会階級の違いを表す単語のようです。
金のスプーンは、恵まれた環境の中、苦労知らずで生活している富裕層などを指します。
※韓国語参考ページ:Kpedia
中小プロダクションから異例の大成功を収めた彼ら BTS のバックグラウンドを考慮すると、単に社会階級や、リッチなのか貧乏なのかを言っているのではなく、中小事務所 vs 大手事務所 の関係を揶揄しているのかもしれないですね。
BTS には『뱁새(ベプセ)』 という曲がありますが、これもまさに『銀のスプーン』について歌っているものです。
解釈1
「生焼けの」を、人間に対する形容詞として捉えて「未熟な」と言い換えると、
「生焼けのステーキ」=未熟な奴ら、大したことない奴ら、口先ばかりの奴ら
といった具合に変換することができます。
そして、J-HOPE、ひいては BTS がこれを「噛みしだく」。
씹다(シプタ) は「噛む」を意味する動詞ですが、電話やメッセージなどを「無視する」という意味でも使われるようですね。
また、スラングで「ディスる」という意味もあるようです。
※韓国語参考ページ:Kpedia
『良いご身分(金のスプーン)とはいえ中身のない、大したことない奴らが何を言っても関係ない、俺はスターだからな。何度でもはねのけてやる。』
といった解釈。ある意味「防弾」のコンセプトに近いかもしれない。
解釈2
普通、韓国語で 「ステーキ」 は 「스테이크」 らしいのですが、
あえて 『스테끼』 と表記している事から、
日本語の 「ステキ」 に掛けた、冷笑的な皮肉表現である可能性も。
『素敵な奴ら(金のスプーン)』といった具合で、もちろん、本心では見下しているイメージ。
ただし、これはどちらかと言えば深読み・飛躍した解釈かな。
そして『Mic Mic bungee』をリレーして
SUGA パートへ突入
Bright light 前進
落ちぶれると思っていただろうが、この通り平気さ悪いな billboard
悪いな Worldwide
出来過ぎた息子でごめんよママ
※意訳
[adchord]お前に代わって親孝行しといてやるよ
俺達のコンサートには絶対無い “ブドウ”(空席)お前は不味いラタトゥイユなんだよ
気に食わねえなら訴えりゃいい
※意訳
포도(ポド)
は本来 ブドウを意味する単語ですが、🍇
ここでは、チケットを購入する画面で空席を表す、色付きのドットを表しているようです。
ラタトゥイユ をどう解釈すればいいかは難しいところですが、
一部地域の郷土料理であり知名度も低く、さらにそれが「不味い」となると、よりマイノリティーな存在として強調されます。
「お前は不味いラタトゥイユ」=
『お前ごときに賛同する(好んで付いて来る)やつなんて居やしないのさ』といった感じでしょうか。
続いて、「腹が痛くなったら 고소해(ゴソヘ)」という部分。
고소해 は場面によって意味が異なるようです。
参考ページ:hinative.com
- (法的に)訴える、告訴する
- (食べ物が)きれいな、うまそうな
- (誰かの不幸を)嬉しそうに眺める
1つ目の意味ならば「訴えろよ」ですが、
3つ目の意味を取れば『ざまぁみろ』とか、『いい気味だ』といった意味合いが含まれている可能性があり、続く『Sue it(訴えろ)』もあるので、同音異義語の韻を踏んでいるという解釈ができるのではないか?と考えます。
そして、「腹が痛いなら」という表現。
これまでの歌詞ではステーキ、ブドウ、ラタトゥイユと食べ物に掛けた表現が続いているので、歌詞の流れから見て、ここで意味しているのは嫉妬で腹痛になる、つまり『悔しいなら』と言い換えられそう。
ディスソングっぽく、皮肉も込めて訳し直すなら、
『悔しいか?そりゃいい。できるもんなら訴えてみなよ』といったところかな。
ラタトゥイユの調理例↓
美味しそうに見えるかは…人によって差がありそうですね?
Image: knorr.com
今回はここまで。
次回は曲のBridge 部分、V のパートからについて語っていきたいと思います。
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