世界中でセンセーショナルを巻き起こしている韓国発のボーイズグループ、BTS。
そのメンバーで、ラップ・ダンスで秀でた才能を見せる J-HOPE のソロ活動となる、ミックステープが 3月1日 0時に公開された。
曲目:
- Hope World (3:25)
- P.O.P (Piece Of Peace) pt.1 (03:01)
- Daydream (백일몽) (03:49)
- Base Line (1:30)
- 항상 (HANGSANG) feat. Supreme Boi (03:50)
- Airplane (03:18)
- Blue Side (Outro) (01:31)
ちなみに、
BTS 1st フルアルバム『DARK&WILD』集録の『Hip Hop 性愛者』という曲で
すでに J-HOPEは『Hope hope world』というフレーズを使っており、
J.Cole のアルバム『Cole World』についても触れています。
もしかすると、今作のアルバムタイトル『HOPE WORLD』は彼に対するリスペクトもしくはオマージュなのかもしれないですね。
J-HOPE が伝えるメッセージ
<BTS Wings Concept Book>では、本人が以下のように語っています。
Suga兄さんやRMのミックステープでは、彼らが言いたい事がたくさん詰まっていますが、
僕の場合は何について語るのかを考えるところからスタートする必要があります。
僕は深みのある歌詞を書くタイプではありません。
よく考え、本を読み、映画を見て、周りの人たちの話を聞いて、
僕が言いたい事をカバーしていくように努める必要があります。
彼はもともと作詞や作曲などの原動力となる激情があるタイプではなく、
自然体の自分から出てくる素直な思いを、外から持ってきた様々なエッセンスを足して表現していくタイプのアーティストのようです。
-Daydream の詩と世界-
Half and Half
俺の性質は Half and Half。 誰も知らないだろうが
注目を浴びる人物の努力の日々。 誰も知らないだろうが
押し寄せる欲望は自ら断つ。 誰も知らないだろうが
daydream のためにいつも息を切らす。 誰も知らないだろうが
さて『俺の 성격 は Half and Half』について、
まず 성격(ソンギョ) は 性格,性質,パーソナリティ などの意味。
つづいて Half and Half の解釈が問題となりますが、二面性とか、二つの側面といった意味なのではないかと思われます。
Vlive で本人が語っていた通り、有名人としての J-HOPEとして生きている自分と、一人の個人としてのチョン・ホソクとして欲望を持ちながら生きている自分がいるということを楽曲に現しているのですね。
コーヒー用のミルクの種類に Half and Half という種類があり、ミルクとクリームが半々ずつ混ぜ合わさっているものを指す。
↑アメリカのスタバにはミルクポットも。
ちなみに、通常のミルクの代わりに Half and Half を使ったラテの事を Breve というらしい。
日本のスタバでも注文できる場合があるようなので、興味がある場合はスタッフに確認してみるとよいでしょう。
Image: carolinamooncoffee.com
Love ma rule
安らかに泣いていたい そうだ。
狂ったように騒いでいたい そうだ。
恋にときめいていたい そうだ。お前たちは魚のように捕らえられたに違いない
欲望と言う名の網でな
共通の心理的逃避さ俺ですらそこから逃げ出す事はできないんだ
個人としてのホソクが持っている、純粋な欲望について認めています。
この点については、他の多くの人間と何ら変わらないのだと。
現実逃避、不満、不適合 どれも違う
俺のルールを愛せ (Love ma rule)
人生の中で一度くらいは違う絵を描きたい
描きたい キャンバス ドリーム
公人としての自分と、個人としての自分の像に矛盾や葛藤が無いわけではない事を認めつつも、現実からの逃避とは違うのだと明確にしています。
どちらも自分であり、正しいのだと。
『Love ma rule』 というフレーズは、
アルバム『WINGS』集録の『BTS Cypher 4』の J-HOPEパートにも出てきます。
I love ma rule 내 bro들과 하는 일
→ 俺は自分のルールを愛する 仲間とする仕事
※『BTS Cypher 4』より
また、この少し後に「絵」にまつわるフレーズも出てくるのですが、
ここで言っている「絵」は、アーティスト(公人)としてより大きな成功を手にするという未来像を言っていて、
今回 Daydream で言っている「絵」の方は、個人として欲望を叶えていく空想世界の事を言っているのではないかと思われます。
1VERSE에 이어 난 더 큰 그림을 그릴 테니
→ 1VERSE に続けて俺はもっと大きな絵を描くから
※『BTS Cypher 4』より
永遠じゃない
境界線を超えて 感じてみなよ
アリスが落ちた穴のように
ホグワーツへ続く道のように
蜃気楼の世界かもなそしてそれは全部俺のものだ
想像通りさ
でも 永遠じゃないらしい
クソ
「アリスが落ちた穴」… 奇妙で、別の世界(もう一つのリアリティ)に迷い込んだり、のめり込む事を示唆しています。
ちなみに、英語のイディオムとして“Falling down the rabbit hole”(ウサギの穴に落ちる) という言葉があり、上記と同じ意味の他に、何らかの強迫観念にとらわれている人や、熱中している人を指して使われることもあるようです。
参考:www.quora.com
「ホグワーツ」… 小説・映画の『ハリー・ポッター』の世界に出てくる魔法学校の事ですが、魔力を持たない普通の人(マグル)にはただの廃墟にしか見えないとされており、もしかすると歌詞の中ではそれを「蜃気楼の世界」と言っているのかも。
今回はここまで。
次回はサビからの内容です!
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